一時帰国の消費税免税は11月1日からリファンド方式へ|マニラ在住者が出発前と日本到着後にすべきこと

令和8年11月1日、日本の消費税免税制度がリファンド方式に移行します(在フィリピン日本国大使館・令和8年10月13日発表)。マニラ在住の日本人が一時帰国で免税を受けるために、出発前・入国時・出国時に必要な対応と期限を整理しました。

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フィリピン永住権・マニラ在住13年以上 / 移住・ビザ・ビジネスを日本語でサポート

一時帰国の消費税免税は11月1日からリファンド方式へ|マニラ在住者が出発前と日本到着後にすべきこと

要約

  • 令和8年11月1日から、一時帰国中の免税購入は「税込みで支払い、出国時に税関の確認を受けたあとで消費税相当額が返金される」方式に変わります。在フィリピン日本国大使館が令和8年10月13日に発表しました。
  • 国外に2年以上居住していることの証明には、在留証明・戸籍の附票の写しに加えて、国外転出者向けマイナンバーカードも利用できるようになります。在留証明と戸籍の附票の写しは、最終入国日の6か月前の日以降に発行されたものに限られます。
  • 日本に入国するときは、旅券に帰国の証印(スタンプ)を必ず受けます。購入した物品は、購入日から90日以内に本人が携帯して出国し、税関の確認を受けます。

令和8年11月1日から、一時帰国の免税購入は何が変わるのか

店頭で税抜き価格で購入できなくなり、返金の手続きは出国時まで続きます。

在フィリピン日本国大使館は、令和8年10月13日に「消費税免税制度について(リファンド方式への移行)」というお知らせを発表しました。日本の消費税免税制度(国外へ持ち出す物品を免税店で購入する際に消費税が免除される制度で、日本の非居住者が対象)は、令和8年11月1日からリファンド方式に移行します。

リファンド方式とは、購入時に消費税を含めて支払い、出国時に税関で持ち出しの確認を受けたあとで、消費税相当額の返金を受ける方式です。これまでは免税店(税務署の許可を受けて、免税販売の手続きを行う店舗)で、税抜き価格で購入できました。移行後は、税込みの通常価格で購入します。そして購入日から90日以内の出国時に、空港などの税関で国外への持ち出しが確認されたあと、免税店などから返金されます。

資金の面では、消費税相当額を出国後まで一時的に負担する形になります。なお、空港の出国エリア(トランジットエリア)内の免税店は、この変更の対象から除かれています。

国税庁の Q&A(リファンド方式、令和8年7月)によると、制度の基本的な条件は次のとおりです。

項目内容
免税の対象になる金額同じ免税店で同じ日に購入した額の合計が税抜き5千円以上
対象外の物品金とプラチナの地金(加工前の塊)、金貨とプラチナ貨
出国の期限購入日から90日以内
返金の条件出国時に税関の確認を受けること
返金の方法免税店ごとに異なる(銀行振込、クレジットカードへの送金、アプリ送金、出国港内での現金の返金など)

マニラに住む日本人は、どのような条件で免税を受けられるのか

日本国籍の人は、国外に2年以上居住していることが書類で確認された場合に、免税購入対象者(日本の非居住者として、免税で購入できる人)になります。一方、国内に住所がある人、国内の事務所に勤務している人、入国後6か月以上経過した人などは対象になりません。

「2年以上」の判定方法が変わる

11月1日からは、2年以上かどうかの判定方法が変わります。

  • これまで: 書類に記載された「海外に住所を定めた日から、書類の発行日まで」の期間で判定
  • 移行後: 書類の発行日にかかわらず、「国外転出予定日(国外定住日。日本から海外へ住所を移した日)から、最終入国日(直近の日本への入国日。旅券の帰国証印の日付で判断)まで」の期間で判定

これまでは、書類の発行日が早いと、国外居住が2年に満たないと判定されることがありました。移行後は、書類をいつ取得しても、2年の判定には影響しません。判定の起点と終点は、海外に住所を移した日と、今回の入国日です。

利用できる証明書類は3つ

免税店では、旅券に加えて、次のいずれか1つを提示します。

書類条件取得先・時期
国外転出者向けマイナンバーカード(スマートフォンのマイナンバーカードを含む)国外に転出した旨の記載があるもの。有効期限内で、国内への転居の記載がないこと日本出国前の手続き、または国外からの申請
在留証明(電子の e-証明書と、それを印刷したものを含む)最終入国日の6か月前の日以降に作成されたもの在外公館(海外にある日本の大使館・総領事館)のみ
戸籍の附票の写し最終入国日の6か月前の日以降に作成されたもの本籍地の市区町村。入国後の取得も可

移行後は、在留証明と戸籍の附票の写しに本籍地(戸籍がある場所)の記載が不要になります。一方で、発行日が最終入国日の6か月前の日以降でなければならない点は、移行後も変わりません。

観光庁の免税店向けの資料には、確認方法の例があります。2026年12月3日に入国した人が在留証明を提示する場合、免税店は、国外定住日が2024年12月3日より前であること、書類の作成日が2026年6月3日以後であることを確認します。

注意が必要なのは、フィリピンのビザのカードです。SRRV(フィリピンの退職者向けの特別居住ビザ)などのカードはフィリピンの書類で、日本の免税の証明書類には含まれません。マニラでは身分証として携帯する機会の多いカードですが、免税店では利用できません。

出発前(マニラ滞在中)に何をすべきか

出発前に必要なのは、利用する証明書類を決めて、準備しておくことです。3つのうちどれを選ぶかで、取得先と時期が異なります。

国外転出者向けマイナンバーカードがあれば、それを利用する

国外転出者向けマイナンバーカードは、国外転出後も利用できるマイナンバーカードで、カードに「国外転出」の日付が追記されています。令和6年5月27日から、日本国籍の人は国外転出後もマイナンバーカードを継続して利用できるようになりました。国外転出予定日の前日までに、転出届と一緒にカードと国外継続利用申請書を提出すると、市区町村がカードに日付を追記します。この手続きをせずに国外へ転出すると、カードは国外転出予定日に失効します。

私はこのカードを所持しており、一時帰国の際は、銀行口座の利用を再開する手続きなどに使用しています。11月1日からは、このカード1枚で2年以上の国外居住を証明できます。発行日の6か月の条件がないため、帰国のたびに書類を取得し直す必要がありません。出発前に確認すべき点は、有効期限が切れていないことと、カードに国外転出の記載があることの2点です。

カードをお持ちでない人でも、2015年10月5日以降に国外転出した場合は、国外から国外転出者向けマイナンバーカードを申請できます。

在留証明を利用する場合は、マニラで取得してから出発する

在留証明は、海外のどこに、いつから居住しているかを証明する書類です。在外公館だけが発行する証明書で、一時帰国中に日本で取得することはできません。手数料は1通につき邦貨1,200円相当です。

証明のオンライン申請を導入している在外公館では、電子の在留証明(e-証明書)をオンラインで受け取れます。オンライン申請には、オンライン在留届(ORRネットと呼ばれる、海外での住所を大使館などにインターネットで届け出る仕組み)の提出が必要です。私は在留届を自分でも必ず提出しており、相談を受けるお客様にも提出を勧めています。在留届を提出しておけば、証明が必要になった際の手続きを一つ省けます。

e-証明書は、印刷して免税の手続きに使用できます。ただ、外務省は、免税店から書面の提出を求められる場合もあるため、事前に免税店に確認し、印刷して持参するよう案内しています。発行日が最終入国日の6か月前の日以降でなければならないため、取得時期は帰国の予定から逆算します。

戸籍の附票の写しを利用する場合は、日本到着後の取得も可能

戸籍の附票の写しは、本籍地の市区町村が保管する住所の履歴の写しで、海外に住所を移した日も記載されます。日本に入国したあとに取得しても問題ないとされており、取得した場合、在留証明は不要です。マニラで書類を準備する時間がない人は、この方法を選択できます。

日本到着時(入国審査)に何をすべきか

入国時に必要な対応は一つで、旅券に帰国証印(入国時に旅券に押されるスタンプ)を受けることです。移行後の判定は「最終入国日(旅券の帰国証印の日付)」を基準にするため、証印がないと免税を受けられない場合があります。

自動化ゲート(旅券と指紋で本人確認を行い、入国審査を自動で行うゲート)で入国すると、証印は押されません。自動化ゲートは、成田(第1・第2ターミナル)、羽田(第3ターミナル)、中部(第1ターミナル)、関西(第1・第2ターミナル)に設置されています。利用者登録はフライト当日に空港で行え、手数料はかかりません。

自動化ゲートを利用する場合は、ゲートを通過したあと、税関検査の前までに、審査場の事務室の職員に申し出れば証印を受けられます。出入国在留管理庁は、税関検査の前を過ぎると証印の申し出は受け付けないとしています。

私は日本に入国する際、これまで帰国の証印を受けてきました。待ち時間を短縮できるため、今後は自動化ゲートを利用する予定です。その場合も、税関検査に進む前に事務室で証印を受けてから進みます。免税で購入する予定がある人は、この手順を出発前に確認しておくと、到着後の対応が円滑です。

購入から出国までに、何に注意すべきか

購入前に、返金方法を店舗に確認する

返金方法は消費税の法令に定めがなく、免税店ごとに異なります。国税庁は例として、銀行振込、クレジットカードへの送金、アプリ送金、税関の確認を受けた出国港内での現金の返金を挙げています。どの方法で返金されるかは、支払い前に店舗で確認します。

購入した物品は、購入時の状態のまま携帯する

出国までは、箱や袋などの梱包材と中身を分けたり、梱包材を廃棄したりしないようにします。型番などが記載された梱包材を廃棄すると、税関の確認を受けられない可能性があります。

出国前にフィリピンへ発送しない

出国前に EMS 郵便などで国外へ発送した物品(別送)は、郵便局の控えを提示しても税関の確認を受けられず、免税になりません。税関の確認は、出国時に本人が携帯している物品に対して行われます。携帯していない物品は確認を受けられないため、免税で購入した物品は本人が携帯して出国します。

出国前に譲渡・使用しない

免税で購入した物品を出国前に譲渡したり使用したりすると、消費税が徴収されます。出国前に譲渡した場合は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の罰則があります。国税庁と税関が、転売防止の案内で示しています。日本にいる家族へのお土産を免税で購入し、出国前に渡すと、この扱いになります。

出国当日(日本の空港)に何をすべきか

出国当日に必要な手続きは、税関の確認を受けることです。この確認を受けなければ、返金は受けられません。

税関の確認は、出国する空港・港の免税手続用の端末に旅券を読み込ませて行います。旅行者の多い一部の空港では、出発ロビーの専用の無線LAN(Wi-Fi)のエリア(保安検査場の前まで)で、スマートフォンから Visit Japan Web(日本への出入国の手続きをスマートフォンで行うための国のサービス)を通じて、オンラインで確認を受けることもできます。

マニラの空港は、世界の空港ランキングで下位に挙がることで知られています。私は相談者に、慣れていない空港では手続きを早めに済ませるよう勧めています。日本の空港での免税の確認も同様です。Visit Japan Web での確認は保安検査場の前のエリアに限られるため、保安検査に進む前に済ませます。

免税で仕入れて、フィリピンで販売してもよいのか

国税庁の Q&A の問7によると、日本の免税制度の上では、事業用・販売用として購入すると見込まれる場合でも、対象外の物品でなければ、用途を問わず免税の対象になります。ただし、出国時に本人が携帯して持ち出せる数量に限られます。携帯していない物品は税関の確認を受けられません。

私自身は、一時帰国の際に免税で購入していません。ただ、せどり・転売(安く仕入れた商品を、より高く販売して差益を得ること)を手がける友人の中には、免税店で仕入れ、税額分を利益につなげている人がいます。私は、転売で利益を上げたい人なら、免税での仕入れを試してよいと考えています。始めるなら、まず扱いやすい商品で一連の手順を確認し、成果が出てから高額なブランド品へ広げる順番を勧めます。リファンド方式では、仕入れの時点で消費税相当額の資金が必要になり、返金は出国後になります。高額な商品から始めると、一時的な資金負担も大きくなります。

守るべき条件は明確です。出国前に譲渡しないこと、本人が携帯して出国すること、出国前に別送しないことです。国税庁は2025年11月に転売防止の案内を公表しており、観光庁の免税店向けのサイトもこれを告知しています。

一時帰国の免税は、いつまでに何をすべきか(早見表)

時期すること期限・条件
マニラを出発する前利用する証明書類を決める。国外転出者向けマイナンバーカードの有効期限と記載を確認する。在留証明を利用するなら在外公館で取得する(e-証明書は印刷しておく)在留証明は最終入国日の6か月前の日以降の発行
日本に入国するとき旅券に帰国証印を受ける。自動化ゲートを利用したら、事務室の職員に申し出る税関検査の前まで
入国後(必要な人のみ)戸籍の附票の写しを市区町村で取得する最終入国日の6か月前の日以降の作成
購入時旅券と証明書類を提示し、税込みで支払う。返金方法を確認する同じ店・同じ日に税抜き5千円以上
出国まで梱包のまま携帯する。譲渡しない。別送しない購入日から90日以内に出国
出国当日空港・港の端末、または Visit Japan Web で税関の確認を受けるVisit Japan Web は保安検査場の前のエリアで

よくある質問

在留証明の取得は必須か

必須ではありません。在留証明、戸籍の附票の写し、国外転出者向けマイナンバーカードのいずれか1つがあれば足ります。戸籍の附票の写しを取得した場合、在留証明は不要です。国外転出者向けマイナンバーカードを所持している人は、11月1日からはそのカードで証明できます。

自動化ゲートで入国したら、免税は受けられないのか

ゲートを通過したあと、税関検査の前までに審査場の事務室の職員に申し出れば、証印を受けられます。税関検査の前を過ぎると申し出は受け付けられず、証印がないと免税を受けられない場合があります。

購入した物品を、出国前にフィリピンへ郵送してもよいか

発送した物品は免税になりません。出国前に EMS 郵便などで国外へ発送した物品は、郵便局の控えを提示しても税関の確認を受けられないためです。免税を受けたい物品は、本人が携帯して出国します。

まとめ

令和8年11月1日から、一時帰国の免税は「税込みで購入し、出国時の税関の確認を経て返金を受ける」リファンド方式に変わります。在フィリピン日本国大使館が令和8年10月13日に発表しました。マニラに住む日本人に必要な対応は、時期ごとに次の3つです。

  • 出発前: 利用する証明書類を1つ決める。国外転出者向けマイナンバーカードがあれば、それを利用する。在留証明はマニラで取得してから出発する
  • 入国時: 旅券に帰国証印を受ける。自動化ゲートを利用したら、税関検査の前に申し出る
  • 購入後から出国まで: 梱包のまま本人が携帯し、購入日から90日以内に出国して、税関の確認を受ける

マニラ日本人サポートでは、フィリピンでの暮らしや手続きについて、無料相談を受け付けています。在留届の提出方法や、一時帰国の前に準備する書類の確認など、マニラ在住者ならではの準備でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

参考・出典

この記事を書いた人

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運営者 / フィリピン永住権を持つマニラ在住の日本人

  • ●東京都出身・生粋の江戸っ子(3代目)
  • ●フィリピン永住権を取得し自らマニラへ移住(在住13年以上)
  • ●移住・ビザ・会社設立・現地生活を実体験
  • ●相談から定着まで日本語で一貫サポート

フィリピン永住権を持ち、自分自身がマニラに移り住んだ日本人です。ビザ・住まい・銀行・役所など、はじめての土地でつまずきやすいところを、自分の経験と現地の人脈で一つずつ解きほぐします。記事は「現地で実際にどうなのか」を等身大でお伝えします。ご相談は初回無料・日本語だけで完結します。

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