メラルコ電気料金の改定審査 — ERCの8〜9月判断とフィリピン進出日本企業の電力コスト管理

メラルコの料金改定申請とERCの判断時期を整理し、フィリピン進出日本企業や在比日本人向けに、電力コストの把握方法、支払い手段の整備、オフィスや店舗の固定費対策まで具体的な動き方を解説します。

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フィリピン永住権・マニラ在住13年以上 / 移住・ビザ・ビジネスを日本語でサポート

メラルコ電気料金の改定審査 — ERCの8〜9月判断とフィリピン進出日本企業の電力コスト管理

メラルコの電気料金、8〜9月にERCが判断へ — 在比日本人の家計とビジネスに何が起きるのか

メラルコが申請した配電料金の引き上げについて、ERCが8〜9月に判断を示す見通しです。在フィリピン日本企業や在比日本人が、電気代というコストをデータで把握し、支払いと運用を整えるための実務ポイントを解説します。

首都圏の電力供給を担うメラルコ(Manila Electric Co.)が申請した総額5,321億3,000万ペソの収入計画について、フィリピンのエネルギー規制委員会(ERC)が今年の第3四半期、具体的には8月から9月にかけて判断を出す見通しになりました。申請されている配電料金は1キロワット時あたり平均2.34ペソで、直近に承認された1.35ペソを大きく上回ります。マニラで暮らす私たちにとっては、毎月の電気代だけでなく、コンドミニアム(分譲マンション)の管理費や、店舗・事務所の固定費にも関わってくる話です。本記事は2026年7月10日時点の公開情報をもとにしています。


Part 1: このニュースが、あなたの暮らしにどう関係するか

このニュースの背景と、在比日本人にとっての意味

メラルコはマニラ首都圏を中心に電気を配る会社で、在比日本人のほぼ全員が、直接または管理費を通じて間接的にお世話になっています。今回話題になっているのは「レートリセット」と呼ばれる料金の見直しで、メラルコは2027年から2030年までの最初の規制期間に、消費者から約5,321億3,000万ペソを回収する認可を求めています。その大部分は、4年間で2,720億ペソにのぼる設備投資の計画をまかなうためのものだと説明されています。

ERCのフランシス・サターニノ・ホアン委員長は、記者団に対し、メラルコの申請についての判断は早くても8月末から9月ごろになるという見通しを示しました。すでに評価と非公式の議論は始まっており、まずは今月から来月にかけて資産の検査を行う必要があるとしています。つまり、私たちの手元に「結論」が届くのは、まだ少し先ということです。

在比日本人にとっての意味は、大きく分けて三つあります。第一に、家計です。マニラは一年中暑く、エアコンをどれだけ使うかで電気代が大きく変わります。第二に、コンドミニアムの管理費です。共用部の照明やエレベーター、給水ポンプはすべて電気で動いていますから、電気の単価が動けば管理費に跳ね返ることがあります。第三に、ビジネスです。飲食店や美容院、事務所を構えている方にとって、電気代は毎月出ていく固定費そのものです。

私は以前、コンドミニアムに入居されるお客様のために、エアコンと冷蔵庫の購入に同行したことがあります。近所の家電量販店で通訳をして、配送の手配まで行いました。フィリピンの配送は時間どおりに来ないことが多く、このときも約束の時間に来ずに英語で電話をかける羽目になりました。さらに、コンドミニアムは外部の人が勝手に立ち入れないので、配送日の前に管理室で立ち入りの許可を取る必要もありました。そのときに感じたのは、家電を選ぶ段階で消費電力に目を向けておくと、その後の毎月の請求書がずいぶん違ってくる、ということです。料金の議論がこれから動くのであれば、なおさら「使う側」の工夫が効いてきます。

要点を整理する

項目元記事で示された内容
判断の時期ERCは第3四半期、目標としては8月または9月に判断を出す予定
対象メラルコが申請した総額5,321億3,000万ペソの収入計画(レートリセット)
対象期間2027年から2030年までの最初の規制期間
申請中の配電料金1キロワット時あたり平均2.34ペソ(直近の承認済み料金は1.35ペソ)
資金の使い道4年間で2,720億ペソの設備投資計画をまかなうことが主な目的
現在の進み具合評価と非公式の議論を開始。今月から来月にかけて資産の検査を実施
他社の扱いカガヤン電力、コタバト電力、ダグパン電力も同じグループとして審議中。メラルコより先に、早ければ8月に判断される可能性
ERCの姿勢提出された情報や証拠を十分に踏まえるため、急いで結論を出さず慎重に評価すると説明

The Philippine Star — 「Meralco rate hike decision released by Q3, says ERC」(2026年7月10日)

この表は情報提供を目的に、公開情報の事実をもとに作成したものです。詳細は上記リンクの元記事をご確認ください。


関連: フィリピン移住の生活費|マカティで暮らす日本人の1ヶ月の費用を徹底シミュレーション で詳しく解説しています。

Part 2: あなたの暮らしへの影響と、現地での動き方

在比日本人としての動き方

今の段階でできることは、慌てて何かを決めることではありません。判断が出るまでのあいだに、自分の電気の使い方と支払いの流れを整えておくことです。順番に見ていきましょう。

まず、直近の請求書を手元に用意して、1か月に何キロワット時を使っているのかを確かめてください。金額だけを見ていると、単価が動いたときに何が原因で増えたのか分からなくなります。使用量が分かっていれば、単価の話が出てきたときに、自分の家計への影響をおおまかに見積もれます。

次に、支払いの方法を安定させます。私はマニラ在住の60代男性の銀行口座開設をお手伝いしたことがありますが、大手のBDOで開いた普通預金に付いてきたVISAデビットカードは、ネット回線やLazada、Shopeeの支払いまで幅広く使えて、結局クレジットカードが不要になりました。公共料金の支払いも、こうしたカードや電子ウォレットに載せておくと、支払い忘れによる余計な手間を避けられます。ただし、月末に残高が1,000ペソを下回ると、口座維持費として数百ペソが引かれる点には注意してください。

そのうえで、家の中の電気の使い方を見直します。エアコンの設定温度、フィルターの掃除、古い冷蔵庫の買い替えといった地味な工夫が、いちばん確実に効きます。

賃貸にお住まいの方は、契約書の電気代の扱いも確認しておきましょう。部屋のメーターで実費を払う形なのか、管理費に含まれるのかで、単価が動いたときの影響の出方が変わります。

最後に、確定した情報だけを見て動くことです。制度や料金は議論の途中で数字が変わることがあります。ERCの正式な判断が出たあとに、メラルコの請求書や公式の案内で実際の数字を確かめてから、契約や設備の見直しを判断してください。

手順やることフィリピンならではの注意点
1直近3か月の請求書で、月ごとの使用量(kWh)と金額を把握する金額だけ見ず使用量を見る。乾季のエアコン使用で月ごとの差が大きく出ます
2支払い方法を口座引き落としやデビットカード、電子ウォレットに整えるBDOなどの口座は残高が₱1,000を下回ると維持費が引かれることがあります
3エアコンの設定と清掃、古い家電の見直しで使用量そのものを減らす家電の配送は時間どおりに来ないことが多く、コンドは事前に管理室の立ち入り許可が必要です
4賃貸・店舗の契約書で、電気代が実費か管理費込みかを確認する契約と実際の運用がずれることがあるため、管理室やオーナーに口頭でも確かめておきます
5ERCの正式な判断が出てから、請求書の実額で家計や固定費を見直す審議中の数字は変わり得ます。断定的な噂ではなく公式の発表を待ちましょう

よくある失敗と対策

申請中の数字を「決定した料金」と思い込んでしまう

今回の1キロワット時あたり2.34ペソという数字は、あくまでメラルコが申請しているものです。ERCは提出された情報を十分に踏まえたいとして、慎重に評価すると述べています。噂を早合点して、慌てて引っ越しや設備の入れ替えを決めてしまうと、判断が出たあとに後悔しかねません。

NG例: SNSで「来年から電気代が倍になる」と読み、その日のうちに契約中の物件の解約を決めてしまう。

OK例: 申請中の数字と決定した数字は別物だと理解し、ERCの判断とメラルコの公式な案内が出るまで、使用量の把握と省エネの工夫に専念する。

電気代の話を「単価」だけで考えてしまう

請求額は、単価と使用量の掛け算です。単価が上がるかもしれない局面で効くのは、実は使用量の側の工夫です。エアコンの使い方や家電の選び方を放置したまま、単価のニュースだけを追っていても家計は守れません。

NG例: 電気代のニュースを毎日チェックしながら、10年前の冷蔵庫と汚れたままのエアコンフィルターを使い続ける。

OK例: 家電を買い替えるときに消費電力を比べ、フィルター掃除を習慣にして、使用量そのものを下げておく。

支払いの仕組みを整えず、毎月バタバタする

フィリピンでは、支払いの手続きひとつで半日つぶれることも珍しくありません。私は銀行口座開設のお客様に、口座の予約から同行、通訳まで通しで対応しましたが、VISAデビット付きのキャッシュカードは発行に1週間ほどかかり、受け取った後にATMで有効化する操作も必要でした。こうした段取りを先に済ませておかないと、料金が動く局面で余計に消耗します。

NG例: 支払い期限のたびに現金を持って窓口へ行き、行列に並んで半日を使ってしまう。

OK例: 口座やデビットカード、電子ウォレットでの支払いを先に整え、残高不足だけを気にすればよい状態にしておく。


関連: マニラ不動産の日系大手開発で移住はどう変わる?コンドミニアム購入・賃貸相場と注意点 で詳しく解説しています。

Part 3: もっと深く知る

関連する用語・制度

ERC(Energy Regulatory Commission/エネルギー規制委員会)

電力会社が求める料金や収入の計画を審査し、認めるかどうかを決めるフィリピンの規制機関です。今回は委員長のフランシス・サターニノ・ホアン氏が、メラルコの申請について8月から9月ごろに判断を出す見通しを示しました。私たちの請求書に載る単価は、この機関の判断を経て決まるため、電気代の話題では必ず名前が出てきます。

メラルコ(Manila Electric Co.)

マニラ首都圏を中心に電気を配っている会社です。マカティやBGC、ケソン市などでコンドミニアムを借りている日本人の多くは、部屋のメーターに基づくメラルコの請求書を、直接あるいは管理費を通じて負担しています。

レートリセット(料金の見直し/規制期間ごとの料金の再設定)

一定の期間ごとに、電力会社が必要とする収入と料金を洗い直す仕組みです。メラルコは2027年から2030年までの最初の規制期間について、5,321億3,000万ペソの回収と、平均2.34ペソの配電料金を申請しています。数年に一度の見直しなので、決まると影響が長く続くのが特徴です。

配電料金(distribution tariff)

電気を各家庭や店舗まで届ける部分にかかる料金で、1キロワット時あたりの単価で示されます。直近に承認されたのは1.35ペソでした。請求書の合計額はこれだけで決まるわけではありませんが、料金の議論ではこの単価が焦点になります。

設備投資計画(capital expenditure program)

送配電の設備を新しくしたり増やしたりするための投資のことです。メラルコは4年間で2,720億ペソの投資を計画しており、今回の申請はこれをまかなうことが主な目的だと説明されています。


Part 4: よくある質問(FAQ)

この申請が通ると、私の毎月の電気代はすぐ上がるのですか。

いいえ、すぐにではありません。今回の申請は2027年から2030年までの規制期間についてのもので、ERCの判断もまだ出ていません。ホアン委員長は、目標として8月または9月に判断を出すと述べています。今の時点では、決まった数字として受け止めずに、公式の発表を待ってください。

マニラでは、電気代はどのくらい家計に響くものでしょうか。

一年中暑いので、エアコンの使い方次第で請求額が大きく変わります。私はマカティで家族4人のコンドミニアム賃貸をお手伝いしたことがあり、新築の有名コンドで家賃は月3万7,000ペソでした。家賃だけを見て予算を組むと、電気代の上下で毎月の感覚が狂います。家賃と光熱費をひとまとめにして考えておくと安心です。

コンドミニアムの管理費にも影響しますか。

共用部の照明やエレベーター、給水ポンプは電気で動いていますから、単価が変われば管理費に反映されることがあります。実際にどうなるかは建物ごとに異なるので、気になる方はコンドミニアムの管理室に確認してみてください。館内のお知らせは管理室から出るのがいちばん早く、多くの建物が入居者向けのViberやMessengerのグループチャットで流してくれます。

停電が増えたりはしないのでしょうか。備えは必要ですか。

今回の記事は料金と設備投資の審議に関する内容で、停電の見通しについて述べたものではありません。ただ、フィリピンでは台風や設備の都合で停電が起きることがあり、備えは暮らしの一部として持っておくと安心です。私は大容量のモバイルバッテリーとソーラー充電式のランタンを用意しています。停電するとATMもカード決済も止まるので、小額の紙幣を手元に置いておくと地味に効きます。コンドは停電すると給水ポンプも止まって断水になることが多いので、停電と断水はセットで備えるのがおすすめです。

店舗や事務所を持っている場合、今のうちに何をしておくべきですか。

まずは直近の請求書から、月ごとの使用量を数字で押さえてください。そのうえで、営業時間中のエアコンや照明の使い方、古い機器の消費電力を見直しておくと、単価が動いたときの影響を小さくできます。契約や設備の大きな変更は、ERCの正式な判断が出て、実際の請求額が見えてからでも遅くありません。


活用のコツ(3 Tips)

今月の請求書を開いて、使用量(kWh)を手帳やスマホにメモする

単価の話は、自分の使用量が分かって初めて意味を持ちます。3か月分並べておくと、季節ごとの変化も見えてきます。

エアコンのフィルター清掃を月に一度の習慣にする

いちばん安く、いちばん確実に使用量を下げられる方法です。掃除は近所の方に週1回・1回700ペソほどで頼むこともできます。

8月から9月の公式発表を、日付を決めて確認する

ERCは8月または9月に判断を出す見通しです。カレンダーに印を付けておき、噂ではなく公式の発表と請求書の実額で判断してください。


ボーナス: マニラ日本人サポートの活用法

電気代や住まいまわりの話は、契約書と現地のやり取りが日本語で完結すると、途端に楽になります。マニラ日本人サポートでは、次のようなご相談をお受けしています。

  • コンドミニアムの内見同行や家賃交渉、契約書のチェックと通訳(電気代の負担がどうなっているかの確認を含みます)
  • 銀行口座の開設や、公共料金の支払い方法を整えるためのお手伝い(書類の準備、予約、銀行への同行、通訳まで通しで対応します)
  • エアコンや冷蔵庫といった家電の購入同行、配送手配、コンドミニアムの立ち入り許可の取得

初回相談は無料です。日本語だけで完結しますので、まずはお気軽にご相談ください。


参考・出典

この記事を書いた人

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運営者 / フィリピン永住権を持つマニラ在住の日本人

  • 東京都出身・生粋の江戸っ子(3代目)
  • フィリピン永住権を取得し自らマニラへ移住(在住13年以上)
  • 移住・ビザ・会社設立・現地生活を実体験
  • 相談から定着まで日本語で一貫サポート

フィリピン永住権を持ち、自分自身がマニラに移り住んだ日本人です。ビザ・住まい・銀行・役所など、はじめての土地でつまずきやすいところを、自分の経験と現地の人脈で一つずつ解きほぐします。記事は「現地で実際にどうなのか」を等身大でお伝えします。ご相談は初回無料・日本語だけで完結します。

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