フィリピンの13ヶ月目給与とは?会社設立後に必要な支払い義務と計算方法を解説

フィリピン・マニラで会社設立を目指す移住検討者や在比日本人へ。13ヶ月目給与の支払い義務、計算方法、12月24日の期限、非課税枠までをわかりやすく解説。現地で会社を運営する日本人による無料相談も案内します。

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フィリピン永住権・マニラ在住13年以上 / 移住・ビザ・ビジネスを日本語でサポート

フィリピンの13ヶ月目給与とは?会社設立後に必要な支払い義務と計算方法を解説

フィリピンの13ヶ月目給与(13th Month Pay)とは?支払い義務と計算方法を解説

フィリピンで会社を経営していると、年末が近づくにつれて気になるのが13ヶ月目給与(13th Month Pay)の支払いです。従業員として働いている場合も、自分がいくらもらえるのか、正しく計算されているのか不安になることがあります。この制度は法律で義務づけられているため、知らなかったでは済まされません。

この記事を読めば、誰が対象になり、どう計算し、いつまでに払えばよいのかが一通りわかります。会社側にも従業員側にも役立つ内容にまとめました。

要約

  • 13ヶ月目給与は大統領令851号で定められた会社の義務で、その年に1ヶ月以上働いた一般従業員であれば、契約社員でも試用期間中でも受け取れます。
  • 金額は1年間の基本給を12で割って計算し、残業代や手当は原則として含めません。会社は毎年12月24日までに支払う必要があります。
  • 13ヶ月目給与と他のボーナスの合計が年間₱90,000(おおよそ23万円前後の概算)までは非課税で、それを超えた分にだけ税金がかかります。

13ヶ月目給与でつまずきやすいポイント

立場よくあるつまずき
会社側任意のボーナスと勘違いして支払いを軽く見てしまう
従業員側金額が正しいのか、途中入社でもらえるのかがわからない

フィリピンに移住して会社を立ち上げた人がまず戸惑うのが、この13ヶ月目給与という仕組みです。日本にはない制度なので、ボーナスと同じようなものだと勘違いしてしまう人も少なくありません。しかし実際には、あげてもあげなくてもよい任意のボーナスとはまったく違います。

マニラのオフィスで給与計算に悩む日本人経営者 フィリピンの13ヶ月目給与は日本のボーナスとは仕組みが異なり、会社側も従業員側も戸惑いやすいポイントです。

従業員側でも悩みは尽きません。「去年より金額が少ない気がする」「途中入社だから自分はもらえないのでは」といった相談がよく届きます。計算の仕組みを知らないと、その金額が正しいのかどうかを自分で確かめられません。

実際に、日本で20年ほど美容師をしていた方のマニラでの美容院開業を支援したことがあります。フィリピン人女性と結婚し、奥さま名義の法人と13(a)ビザで完全に合法な形に整えました。DTIやMayor's Permit、BIRといった許認可は思ったよりすんなり通り、若いスタッフもすぐに見つかりました。開業から5年たった今は座席2・スタッフ2〜3人で来客が絶えませんが、こうしてスタッフを雇う立場になると、毎月の給与だけでなく13ヶ月目給与の支払いも会社の責任になります。

関連: フィリピン会社設立後の給与計算|SSS・PhilHealth・Pag-IBIGの金額と納付手続き で詳しく解説しています。

なぜフィリピンには13ヶ月目給与があるのか

項目内容
根拠となる法律大統領令851号(1975年制定)
目的物価の上昇から労働者の生活を守るため
支払いの性質業績に関係なく必ず払う法的な義務
対象者1ヶ月以上働いた一般従業員(管理職・独立業務委託は対象外)

13ヶ月目給与は、1975年に出された大統領令851号という法律で定められています。物価の上昇に苦しむ労働者の生活を助ける目的で作られました。つまり企業の善意ではなく、国がすべての民間企業に課した義務なのです。

日本のボーナスは会社の業績や方針で金額が変わりますし、そもそも払わない会社もあります。一方フィリピンの13ヶ月目給与は、業績が良くても悪くても必ず払わなければなりません。対象はいわゆる一般従業員(ランク・アンド・ファイル)で、その年に1ヶ月以上働いた人であれば、雇用形態を問わず全員が受け取れます

管理職や、成果だけで報酬が決まる独立業務委託の人などは対象から外れます。ただし基本給をもらっている立場であれば、契約社員でも試用期間中でも受け取る権利があります。この線引きを知らずに「うちは正社員以外は払わない」と決めてしまうと、法律違反になってしまいます。

逆に、雇われずに個人で仕事を請け負う人は、この制度の対象になりません。2025年に、自宅のパソコンでUpworkの仕事を受け始めた50代の女性のTIN(納税者番号)取得を手伝ったことがあります。報酬の振込にTINが必要になったためで、こうして独立して働く人は自分で税金を扱う代わりに、13ヶ月目給与を受け取る立場にはならないわけです。

13ヶ月目給与の計算と支払いの進め方

項目内容
計算式1年間の基本給の合計 ÷ 12
計算に含めるもの基本給のみ(残業代・各種手当・賞与は原則除く)
途中入社・退職働いた月数に応じて按分
支払期限毎年12月24日まで
DOLEへの報告翌年1月15日まで
非課税枠他のボーナスと合算で年間₱90,000まで

計算の考え方はとてもシンプルです。その年の1月から12月までに実際に支払った基本給を合計し、それを12で割った金額が13ヶ月目給与になります。1年間フルで働いた人なら、だいたい月給1ヶ月分と同じ金額になると考えて差し支えありません。

電卓と給与明細で13ヶ月目給与を計算する様子 計算式は年間の基本給を12で割るだけとシンプルですが、含める項目と支払期限を正しく押さえることが大切です。

例を挙げます。月給₱20,000の人が1年間欠勤なく働いた場合、年間の基本給は₱240,000になります。これを12で割ると₱20,000となり、この金額がそのまま13ヶ月目給与にあたります。なお円換算は為替で動くため、₱20,000はおおよそ52,000円前後という概算で捉えてください。

注意したいのは、計算に含めるのは基本給だけという点です。残業代や夜勤手当、各種手当、交通費、業績賞与などは原則として含めません。ただし会社の規定や契約で基本給の一部として扱っている手当があれば、それは計算に入れます。

年の途中で入社した人や退職した人は、働いた月数に応じて金額を按分します。たとえば7月から働き始めた人なら、7月から12月までに受け取った基本給を合計して12で割ります。退職者の場合も、最終給与(ファイナルペイ)の一部として日割り・月割りで支払う義務があります

支払いの期限は毎年12月24日までと決められています。多くの会社は11月から12月上旬に前払いし、残りを12月にもう一度分けて払うといった形も選べます。さらに支払いが終わったら、翌年1月15日までにDOLE(労働雇用省)へ支払い状況を報告する義務もあります。

税金についても知っておくと安心です。13ヶ月目給与とその他のボーナスを合わせて年間₱90,000までは非課税で、これを超えた分にだけ税金がかかります。多くの一般従業員はこの枠内に収まるため、まるまる手取りになるケースが多いです。

関連: フィリピン 現地採用の進め方|マニラで会社設立後に使える求人サイトと面接のコツ で詳しく解説しています。

支払い現場で実際に起きること

よくある事態対処のコツ
手当まで含めた計算ミス基本給だけを一つずつ確認する
従業員からの金額の申し立て給与明細に計算の内訳を載せる
期限ぎりぎりまで支払いが進まない11月に対象者と概算金額を固める
未払い・遅延によるペナルティ期限と計算方法を先に押さえておく

制度自体はシンプルですが、フィリピンならではのつまずきも起こります。よくあるのが、経理担当者が手当まで含めて計算してしまい、金額が多すぎたり少なすぎたりするミスです。基本給だけを抜き出す作業を一つずつ確認しておけば、こうした間違いは防げます。

マニラの街並みと会社の書類を確認するイメージ 現地では計算ミスや支払いの遅れが起きがちですが、早めの準備で落ち着いて対応できます。

従業員から「金額が違う」と申し立てが来ることも珍しくありません。多くは欠勤や無給休暇の分が反映された結果で、計算自体は正しいというケースです。給与明細に計算の内訳を載せておけば、後からの説明もスムーズになり、無用なトラブルを避けられます。

時間にルーズな面があるのも現地の実情です。担当者に任せきりにしていると、12月24日ぎりぎりまで支払いが進まないこともあります。11月のうちに対象者リストと概算金額を固めておくと、期限に追われず落ち着いて対応できます。

支払いを忘れたり遅らせたりすると、DOLEから是正命令が出たり、利息の上乗せを求められたりします。悪質だと判断された場合は、事業許可に影響が及ぶこともあります。ただ、期限と計算方法さえ押さえておけば、過度に恐れる必要はありません。

関連: マニラ最低賃金₱85引き上げ解説|在フィリピン日本企業の人件費対策 で詳しく解説しています。

よくある質問

Q: 試用期間中の従業員にも13ヶ月目給与を払う必要がありますか

A: その年に1ヶ月以上働いていれば、試用期間中でも支払う義務があります。金額は働いた月数に応じた按分計算になります。

Q: 途中で退職した場合はもらえないのですか

A: 退職しても、その年に働いた分は受け取れます。最終給与の一部として、働いた期間に応じた金額が支払われます。

Q: 13ヶ月目給与とクリスマスボーナスは同じものですか

A: 別のものです。13ヶ月目給与は法律で義務づけられた支払いですが、クリスマスボーナスは会社の判断で出す任意の上乗せにあたります。

Q: 残業代や手当も計算に入りますか

A: 原則として入りません。計算のもとになるのは基本給だけで、残業代や各種手当は含まないのが基本です。ただし契約で基本給に組み込まれている手当は例外として扱います。

Q: 払わなかったらどうなりますか

A: 従業員はDOLEに申し立てができ、会社は未払い分に利息をつけて支払うよう命じられることがあります。繰り返す場合は事業許可にも関わるため、期限内の支払いをおすすめします。

要点の整理と次の一歩

13ヶ月目給与は、任意のボーナスではなく法律で定められた義務です。1年分の基本給を12で割った金額を、毎年12月24日までに一般従業員へ支払うという流れを押さえておけば、大きく間違えることはありません。途中入社や退職の場合は、働いた月数で按分する点も覚えておくと安心です。

とはいえ、手当の扱いや税金の線引き、退職者への日割り計算など、細かい部分で迷う場面は必ず出てきます。自分の会社のケースに当てはめて確かめたいときは、早めに専門家へ相談すると迷いがなくなります。

マニラ日本人サポートでは、13ヶ月目給与の計算や支払いの段取り、会社設立後の労務全般について無料相談を受け付けています。フィリピンでの手続きに不安があれば、一人で抱え込まずに気軽に声をかけてください。現地で実際に会社を運営してきた経験をもとに、状況に合わせた具体的な進め方をお伝えします。

参考・出典

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運営者 / フィリピン永住権を持つマニラ在住の日本人

  • 東京都出身・生粋の江戸っ子(3代目)
  • フィリピン永住権を取得し自らマニラへ移住(在住13年以上)
  • 移住・ビザ・会社設立・現地生活を実体験
  • 相談から定着まで日本語で一貫サポート

フィリピン永住権を持ち、自分自身がマニラに移り住んだ日本人です。ビザ・住まい・銀行・役所など、はじめての土地でつまずきやすいところを、自分の経験と現地の人脈で一つずつ解きほぐします。記事は「現地で実際にどうなのか」を等身大でお伝えします。ご相談は初回無料・日本語だけで完結します。

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