フィリピンで飲食店を開業する方法|物件探しから営業許可(Mayor's Permit)取得まで【マニラ移住者向け】

フィリピン・マニラで飲食店を開業したい方へ。物件探しから営業許可(Mayor's Permit)取得までの流れを順に解説。会社設立や外国人の所有制限、ビザ、費用の目安、移住後の起業でつまずきやすい点まで実務的にまとめました。

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フィリピン永住権・マニラ在住13年以上 / 移住・ビザ・ビジネスを日本語でサポート

フィリピンで飲食店を開業する方法|物件探しから営業許可(Mayor's Permit)取得まで【マニラ移住者向け】

フィリピンで自分のお店を持ちたい、特に飲食店をやってみたいという相談は本当に多く寄せられます。気候も人も温かく、外食文化がしっかり根づいているこの国は、飲食ビジネスにとって魅力的な舞台だと感じている方も少なくありません。

ところが、いざ動き出すと「物件は見つかったのに、なかなかお店を開けられない」という壁にぶつかります。原因のほとんどは、営業許可(Mayor's Permit)にたどり着くまでの段取りが見えていないことにあるのです。

この記事では、物件探しから営業許可の取得までを、実際の順番に沿って一つずつ整理していきます。マニラで自分の事業を立ち上げ、現地で多くの日本人の開業をそばで見てきた経験をもとに、つまずきやすいポイントとその乗り越え方までお伝えします。

要約

  • フィリピンの飲食店開業は、物件探しと用途地域の確認、会社登録、バランガイ証明、営業許可、衛生・消防・保険、税務登録の順に進めると最短で開けます。
  • 小規模な飲食店を外国人だけで100%所有するのは資本金の面で難しく、フィリピン人が過半数を持つ会社にするのが現実的です。
  • 営業許可の料金は自治体ごとに差があるので、支払う前に内訳を確かめ、開業日には1〜2か月の余裕をみておくと安心です。

お店は決まったのに、なぜか開けられない

つまずき何が起きるか
許可の順番を知らない物件を契約しても営業できず、家賃だけが出ていく
必要な許可が多いバランガイ証明・営業許可・衛生・消防・税務を順にこなす必要がある
名義を決めていないあとで会社の作り直しになり、時間とお金を失う

「いい物件を契約したのに、半年たってもオープンできない」という声をよく聞きます。家賃だけが出ていき、内装も終わっているのに営業できないという状況は、精神的にもかなりこたえるものです。

マニラの商業エリアにある空き店舗を内見する日本人と不動産担当者 物件は決まっても、許可の段取りを知らないと開店までに時間がかかります

その多くは、必要な許可の種類と取得の順番を知らないまま物件を先に押さえてしまったことが原因になっています。フィリピンの飲食店開業では、バランガイ証明・営業許可(Mayor's Permit)・衛生許可・消防検査・税務登録といった複数の手続きを、決められた順番でこなしていく必要があるのです。

さらに外国人の場合は、そもそも誰の名義でお店を持つのかという問題が最初に立ちはだかります。ここを曖昧にしたまま進めると、あとで会社の作り直しになることもあり、時間もお金も大きく失ってしまいます。

関連: マニラで会社設立後に必須「フィリピン 営業許可 更新」マカティ市役所の落とし穴と必要書類 で詳しく解説しています。

なぜフィリピンの開業はこれほど手間がかかるのか

手間の理由内容
国とLGUの二段構え会社は国レベルで登録し、営業許可は市役所・町役場で取得する
自治体ごとの違い街によってルール・必要書類・料金が少しずつ異なる
外国人の所有制限小規模飲食店はフィリピン人が過半数、外資100%は₱25,000,000規模の資本が必要

フィリピンでは、国の役所と地方自治体(LGU)の両方に登録する仕組みになっています。会社そのものは国レベルで登録し、お店を営業する許可はその街の市役所や町役場から受けるという二段構えなのです。

この地方自治体ごとの手続きが、街によってルールや必要書類、料金が少しずつ違います。マカティとケソンシティでは求められる書類が異なることも珍しくなく、「隣町でできたから同じはず」と思い込むと足をすくわれます。

外国人にとってさらにややこしいのが、飲食店は小売業(リテール)として扱われやすい点です。資本金が一定額に満たない小規模な飲食店は、原則としてフィリピン人が過半数(60%)を持つ会社で運営する必要があり、外国人が100%所有するには₱25,000,000(日本円でおよそ6,500万円、為替により変動する概算です)規模の払込資本が求められます。だからこそ、現地のパートナーや会社の形を最初に決めておくことが何より大切になるわけです。

物件探しから営業許可までの進め方

ステップ手続き費用の目安
物件探し・ゾーニング確認用途地域の確認と賃貸契約物件により変動
会社・事業の登録SECで法人を設立する内容により変動
バランガイ証明地区として営業の了承を得る₱500〜₱2,000
営業許可(Mayor's Permit)BPLOへ統一申請書で申請₱5,000〜₱20,000(手数料込み)
衛生許可・健康診断書衛生許可とスタッフの健康診断自治体により変動
消防検査・賠償責任保険消防検査証明の取得と保険加入内容により変動
税務署(BIR)登録TIN取得と領収書の発行準備登録料

ここからは、実際の流れを順番に見ていきます。この順番を守ること自体が、最短で開業するための一番のコツだと考えてください。

フィリピンの市役所窓口で営業許可(Mayor's Permit)の申請書類を提出する様子 物件探しから営業許可まで、決められた順番で進めるのが開業の近道です

まずは物件探しと、その場所の用途地域(ゾーニング)の確認から始めます。飲食店を出してよい区域かどうかを役所で確かめないまま契約すると、許可が下りずに家賃だけが無駄になります。賃貸契約書(Lease Contract)は許可申請の必須書類になるため、契約は正式な書面で結んでおきましょう。

次に会社・事業の登録です。外国人が個人事業(DTI登録)で飲食店を持つことは基本的に認められていないため、SEC(証券取引委員会)で法人を設立するのが現実的な道になります。フィリピン人パートナーとの60対40の会社にするのか、資本金を厚くして外資100%を目指すのかを、ここで決めておくのです。

会社ができたら、お店のある地区のバランガイ証明(Barangay Clearance)を取りに行きます。バランガイとはフィリピンで一番小さな行政単位のことで、地域として営業に問題がないことを示す書類です。費用の目安は₱500〜₱2,000ほど(日本円でおよそ1,300〜5,200円の概算)になります。

そのうえで、市役所・町役場の窓口(BPLO)に営業許可(Mayor's Permit/Business Permit)を申請します。多くの自治体では統一申請書(Unified Application Form)一枚で、営業許可・消防・衛生をまとめて申請できる仕組みが整ってきました。飲食店の許可料は、お店の広さや見込み売上によって変わり、関連手数料を含めると₱5,000〜₱20,000程度になることが多いものの、自治体によって幅があると考えておくと安心です。

飲食店ならではの手続きとして、衛生許可(Sanitary Permit)と、調理スタッフ全員の健康診断書(Health Certificate)も必要になります。さらに消防検査証明(Fire Safety Inspection Certificate)の取得と、飲食店に求められる賠償責任保険(Public Liability Insurance)の加入も忘れてはいけません。

最後に税務署(BIR)への登録を済ませます。納税者番号(TIN)を取り、公式の領収書(Official Receipt)を発行できるようにして、ようやく堂々と営業を始められるのです。

実際に、日本で20年ほど美容師をしていた方のマニラでの美容院開業をお手伝いしたことがあります。フィリピン人女性と結婚されていたので、妻名義の会社と13(a)ビザを組み合わせて、すべて合法な形で整えました。物件探しは2週間ほど、準備に1〜2か月で、DTIやMayor's Permit、BIRといった許認可は想像よりすんなり通り、若いスタッフもすぐに見つかりました。保証金から内装・機材まで含めた初期費用は全部でおよそ30万ペソ(日本円でおよそ78万円の概算)で、5年たった今は座席2・スタッフ2〜3人で来客が絶えません。業種は違っても、物件探しから営業許可までの流れは飲食店とほぼ同じなので、順番さえ守れば必要以上に恐れることはないと感じています。

関連: フィリピン会社設立の第一歩|SEC(証券取引委員会)登録の流れと必要書類をわかりやすく解説 で詳しく解説しています。

現地で実際に起きること、そしてその乗り越え方

よくあること対処
役所の処理が予定より遅れる開業日に余裕をもち、家賃発生と営業開始の間に1〜2か月みておく
料金が不透明支払う前に内訳を求め、業種の分類ミスを防ぐ
回線・設備が不安定書類は紙でも用意し、担当者名と受付日を控える

書類の流れを覚えても、現場では教科書どおりに進まないことがたびたび起こります。けれども、起こりがちなことを先に知っておけば、ほとんどは落ち着いて対処できます。

役所の窓口で料金の内訳を確認しながら手続きを進めるフィリピンの店舗オーナー 提示された金額は支払う前に内訳を確認すると、過剰な請求を防げます

まず多いのが、役所の処理が予定より遅れることです。「明日できる」と言われても数日かかることはよくあるので、オープン日は余裕をもって設定し、家賃の発生日と営業開始日の間に最低1〜2か月の準備期間を見込んでおくと安心できます。

次に注意したいのが、料金の不透明さです。窓口で提示された金額が高く感じたときは、その場で支払う前に料金の内訳(明細)を必ず求めましょう。飲食店は業種の分類を間違えられて高く請求されるケースがあり、内訳を確認するだけで過剰な請求を防げることが多いのです。

過剰な請求は、役所だけの話ではありません。以前、日本で入れた銀歯が外れた女性の歯科受診に付き添ったとき、現金で約1,500ペソ(日本円でおよそ3,900円の概算)と良心的でしたが、フィリピンでは頼んでいないクリーニングをされたり、不要なレントゲンで1,000ペソほど上乗せされたりする話も耳にします。だからこそ、激安をうたう店ではなく評判のよいところを選び、現地の経験者にそばで見てもらうと、いらない出費をかなり減らせます。

回線や設備が不安定なことも現地ではつきものです。オンライン申請のシステムが止まることもあるため、書類は紙のコピーも一式そろえておき、窓口の担当者の名前や受付日を控えておくと、後日のやり取りがぐっと楽になります。脅すような話に聞こえるかもしれませんが、準備と確認を一つずつ重ねれば、誰でも乗り越えられる範囲です。

関連: マニラ最低賃金₱85引き上げ解説|在フィリピン日本企業の人件費対策 で詳しく解説しています。

よくある質問

Q: 外国人ひとりで飲食店を開業できますか?

A: 小規模な飲食店の場合、外国人が単独で100%所有するのは資本金の面で難しく、フィリピン人が過半数を持つ会社にするのが現実的です。なお、フィリピン人に名前だけ借りる「ダミー」はアンチダミー法で禁じられており、重い罰則の対象になるため避けてください。

Q: 営業許可が下りるまで、どれくらいかかりますか?

A: 書類がすべてそろっていれば数日〜2週間ほどが目安ですが、消防や衛生の検査の予約状況によって前後します。物件契約から逆算して、ゆとりのある日程を組んでおくと安心です。

Q: 全部でいくらくらい用意しておけばよいですか?

A: バランガイ証明や営業許可、各種手数料を合わせると、小さなお店でおおむね₱20,000〜₱50,000前後(日本円でおよそ5万〜13万円の概算)を見ておくとよいでしょう。ただし物件の広さや自治体によって変わるため、内装費や保証金とは別枠で予算を組んでおくことをおすすめします。

Q: 許可は一度取れば、ずっと使えますか?

A: 営業許可は毎年の更新が必要で、更新期限は多くの自治体で1月20日ごろに設定されています。期限を過ぎると延滞金がかかるので、年明けの予定に必ず入れておきましょう。

Q: 自分でやるか、専門家に任せるか迷っています。

A: 一度でも経験があれば自力でも進められますが、初めての方は役所めぐりや書類のやり取りで想像以上に時間を取られます。本業の準備に集中したい場合は、現地に詳しい人の手を借りるほうが結果的に早く、安く済むことも少なくありません。

開業までの流れを整理しておきましょう

飲食店開業のカギは、「物件探しと用途地域の確認 → 会社登録 → バランガイ証明 → 営業許可 → 衛生・消防・保険 → 税務登録」という順番を守ることに尽きます。先に物件を押さえてしまう前に、誰の名義でお店を持つのかを決めておくと、回り道をせずに済みます。

料金や日数は自治体によって差があるため、内訳の確認と日程のゆとりを忘れないでください。これだけ意識しておけば、現地でよくあるつまずきの大半は防げます。

とはいえ、外国人の会社の形や用途地域の判断は、自分ひとりで見極めるのが難しい部分でもあります。マニラ日本人サポートでは、こうした開業の段取りについて無料相談を受け付けていますので、計画の段階で一度気軽にご相談いただければと思います。

参考・出典

この記事を書いた人

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運営者 / フィリピン永住権を持つマニラ在住の日本人

  • 東京都出身・生粋の江戸っ子(3代目)
  • フィリピン永住権を取得し自らマニラへ移住(在住13年以上)
  • 移住・ビザ・会社設立・現地生活を実体験
  • 相談から定着まで日本語で一貫サポート

フィリピン永住権を持ち、自分自身がマニラに移り住んだ日本人です。ビザ・住まい・銀行・役所など、はじめての土地でつまずきやすいところを、自分の経験と現地の人脈で一つずつ解きほぐします。記事は「現地で実際にどうなのか」を等身大でお伝えします。ご相談は初回無料・日本語だけで完結します。

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